借金の時効とは
借金の時効期間
借金にも時効というものがあります。
民法において、債権の消滅時効は10年間とされていますが、
借入先が銀行や消費者金融等の法人であると、商事債権としての時効が摘要されるため、
債務者の借金は5年間で時効にかかります。
なお、借入先が法人ではなく個人の場合には、
民法と同様、時効期間は10年間となるので注意が必要です。
ただし、借入先が個人の貸金業者であっても、商法502条8項「両替その他の銀行取引」により、
商事行為としての時効期間(5年)が摘要されるケースもあります。
時効の中断とは
借金の時効が成立してしまうと何より困るのは、お金を貸付けた銀行や消費者金融等の債権者です。
そこで、借主の借金が消え権利が行使できなくならないよう、
債権者には、債務者の時効の進行を食い止めるための手段があります。⇒【時効の中断】
つまり、借主は時効の中断事由に該当する行為を債権者から受けると、
時効期間がストップしてしまうため、
法律で定められた期間、借金返済を拒否し続けても、支払義務はなくならないということです。
時効の中断事由
債権者からの請求
借金をしている債権者(銀行、消費者金融、クレジット会社など)が、
借主である債務者に裁判上の請求(支払督促、訴訟など)を行った場合
差押え、仮差押え、仮処分
債権者(銀行、消費者金融、クレジット会社など)が差押さえ、仮差押え、仮処分等を
裁判所に申立てた場合(例…給料の差押え等)
債務の承認
債務者自身が支払義務があると認めた場合。
例えば、「返済をもう少し待って欲しい!」「必ず返すから!」などと、
借主が自身に弁済義務があることを認めてしまうような言動を取ったり、
借金の一部を支払ってしまうと、時効は中断してしまうことになります。
時効の成立要件
借金の時効期間さえ満たせば、
それだけで借主である債務者の返済義務がなくなるわけではありません。
時効が成立するとは、時効によって利益を受ける者の
意思表示によって確定的に生ずるとされています。
つまり、貸主である債権者(銀行、消費者金融、クレジット会社など)に
『消滅時効が成立しているので、借入れた金銭の支払義務は既に消滅しています』といった
意思表示を借主がすることによって、はじめて時効が成立するのです。⇒【時効の援用】
そこで、通常、時効を成立させるためには、
内容証明郵便による通知書を債権者に送付することになります。
今後の将来について
以上、借金にも時効期間や時効の中断・時効の成立というものがあるため、
多重債務で苦しみ自己破産などの債務整理を考えている方は、
この借金の消滅時効も考慮しつつ、
場合によっては弁護士や司法書士さんの法律専門家に相談しながら
今後の方針を決めることをおすすめします。