医薬品卸 管理薬剤師
医薬品卸会社にも管理薬剤師を置くことが義務付けられています。
医薬品卸会社での薬剤師の仕事は、管理薬剤師として営業への教育、
医師や薬剤師からの問い合わせへの対応などです。
業務内容は製薬メーカーの業務と似ていますが、
医薬品卸会社の管理薬剤師は、より広い視点で医薬品を扱います。
製薬メーカーは、自社製品が有利になる研究資料や論文などの文献を扱うのに対して、
医薬品卸会社の管理薬剤師は、様々なメーカーの医薬品を扱うため、
公平な視点で医薬品に関する資料を扱います。
また、医薬品卸会社の管理薬剤師は医薬品の知識だけではなく
薬事法、医療法、健康保険法など法律についても勉強しなければなりません。
キャリアップとしては、定年まで管理薬剤師として働くケースが多いですが、
希望や仕事の実績によっては、本社勤務になり、
経営やマーケティングに関わることもあります。
ただ、医薬品卸の会社は20年前と比べると、吸収合併等も多くあり、
会社の数も約4分の1に減少しています。そのため求人募集も減少傾向にあります。
この先、市場が縮小していく可能性がある分野ですので、
転職の際はそのことも考慮して将来のキャリアプランを立てるようにしましょう。
医薬品卸 管理薬剤師の役割
@ 法律の見張り番
取引先が医療機関、薬局、企業等と多岐に渡るので薬事法だけでなく
医療法、健康保険法等に精通していなければいけません。
また、一般医薬品だけではなく麻薬、毒、劇薬、農薬等を取引先に納入することもあり、
きちんと法律に従って納入されているかなどにも注意を払います。
また、納入先がきちんと法的に守られているところかどうかの確認もします。
A 品質の管理
社内の倉庫内にある医薬品、他の製品が其々の適温で保管されているか、
品質は保たれているか、
麻薬等は決められた保管法で納められているかどうかなどをチェックします。
B 医薬品の情報業務
取引先の医療機関、調剤薬局等の医薬関係の問い合わせに応じます。
また様々な製薬会社の製品を取り扱うため、それぞれの情報を把握します。
時には、それらの医薬品情報を収集して分析し、
営業所、医療機関等に公表して、医師、薬剤師等の仕事に役立ててもらいます。
C 社員の教育指導
医学薬学は日進月歩で、常に変遷していきます。
これらの情報、製品の搬入時の品質管理、薬事法関連等をMS、社員たちに指導していきます。
医薬品卸の管理薬剤師は調剤も、患者さんへの服薬指導も行いません。
そのかわり薬局薬剤師、病院薬剤師以上に、幅広い知識を持っています。
薬局の薬剤師は病院が使わない薬には多少なりとも知識のレベルが落ちますし、
病院薬剤師も自分の専門分野の知識以外はやはり関心が薄くなってしまいます。
医薬品卸では扱う製品の範囲が広く、
管理薬剤師はそれに応じた幅広い専門知識が必要になります。
また、薬局や医療機関からの問い合わせに対しては
どんな内容であろうと、きちんと解決に持っていく能力が必要です。
医薬品卸 管理薬剤師のメリット
- 福利厚生が充実しており、給与、ボーナスが調剤薬局よりは良いです。
- GW、盆、年末年始など長期の休暇がしっかりとることができます。
- 働く時間が規則的。残業も決算時期以外はあまりありません。
- そのため、自分のプライベートな時間もしっかりととることができます。
- 地方の営業所では比較的にのんびりと仕事ができます。
- 最新医学情報が常に入り、医学・薬学と幅広い知識を身につけることができます。
- 実績次第では本社勤務になり、経営部門で働くこともできます。